備忘録

プレイしたゲーム、旅行先等覚書

自覚症状ゼロから貧血を経て子宮内膜症診断をされた話

 完全にタイトルで結論が分かっているわけなんですが、『子宮内膜症』という診断結果が出ました。
 飛び出してくる検査結果から流石のわたしも不安になってぽろぽろ遠回しに呟いてしまったので、心配してくれた人に対するちゃんとした説明と、わたしが普通に『自覚症状ゼロ』でここまできてしまっているので、こんなケースもあるよという例をあげる意味でも経緯を書き残す事にしました。

 こんな内容なので生々しい生理の話とか出てくるので気を付けて下さいね。

 

 病気関係の話をするにあたってはまず年齢を書かないといけないのだろうが、『あの中二設定満載でわたしがドはまりしたコードギアスが今年15周年です』という情報でどうか察して欲しい。15周年おめでとう! 早いな!

 

 さて本題に入るのだが、もともとわたしは早起きは得意な方で、朝の3時起きでも5時起きでも出来た。旅行の待ち合わせにも遅れたことがなかった。
 ところが数年前から、朝、寝起きに起き上がれなくなった。物理的に。上体を起こすとくらくらするので横になったまま数十分程過ごす。布団の中でエンジンをかけて温まったらようやく起き出せるような感覚だ。
 有難いことに転職をしてから社内の人間関係は至って良好で、仕事のプレッシャーはあるものの上司に恵まれた事もありストレスは感じていなかったので、「単純に自分にやる気がないからこうなっている」と自分のクズさに慄いた。どちらかといえば、転職前に死んだ目でかの有名な安井金比羅宮にお参りに行き、数人殺しそうな目で縁切り縁結び碑にお札を貼付け中をくぐったあの時にこうなってしかるべきでは?とは思った。
 特に状況も改善しないまま、二年前くらいが一番酷く、次第に幾つ目覚ましをかけても寝過ごすようになった。初めは「あれ、おかしいな」で済んだが、朝起きられないばかりに新幹線の指定席を二回流してしまい、挙句の果てにイベントに遅刻し売り子を頼んでいた友人二人を寒空の中タリーズで一時間待たせてしまい(事前にサーチケを渡していなかった)自分のクズさにびびり散らした。平謝りしたが二人とも笑って許してくれた。優しい。本当にありがとう。そしてついにここまできてしまったのかと自分のクズさに絶望した。
 そこでそういえば今年の健康診断で『貧血気味です』と書かれていたなと思い出す。『女性は生理があるから基本貧血気味』になるって言われてるしな…とさして気にしてはいなかったのだが、ここで改めて貧血症状を調べてみると、『朝起きられない』の項目があるではないか。そうかこれは貧血症状かもしれないのか。
 ここで初めて病院にかかった。鉄錠を貰い、飲み続けて暫くして寝起きが改善した。再度の血液検査で数値は上がったし、朝はまだだるいが寝過ごしはなくなった。鉄分の力ってすげー、と感動しつつ、市販の鉄サプリに切り替え、ビタミンサプリを追加し、三食しっかり摂り食事内容に気を付けてそのまま生活した。好きなお酒も殆ど止め、コーヒーの量も減らし、ハーブティーに切り替えた。

 

 そして去年の12月である。まさかの血液検査最低判定。要治療。すぐに病院に行ってくださいという文字に慄く。
 鉄サプリはとっていたし食事にも気を付けていたのに、改善したどころか数値が落ちたどころか地の底を這っている。
 年が明けてすぐに内科に行った。健康診断の数値を見て先生から「よく頑張りましたね」という言葉が出てくる。意味が理解できない。よく頑張りましたねとは何事だ。
 いまいちピンときていないわたしを見て、先生は本来女性ならこのぐらいの数値はあります、と紙に書いて下さったのだが、10とか60とかなければならない数値が軒並み一桁であった。笑った。

 

「ちょっとこの数値はあまり見ませんね。日常生活ちゃんと出来ていますか? 息切れとか酷くありませんか?」
「確かに階段を上がると息切れはしますが、マスクもしてますし、それから加齢のせいかと思っていて……」
「眠って疲れは取れますか?」
「常にだるくはありますが、年齢のせいかと思って……」
「そうですね……常に50mlくらい血液が足りない感じといえば分かりやすいですか?」
「……やばいですね」
「そうなんです。ちなみに鉄サプリを飲んでいらっしゃったんですよね?」
「はい」
「つまりは飲んで何とかこの数値だったんですよ。危険です」

 

 もう少し細かく検査しましょうと言われ再度の血液検査の結果、CA125という数値が異常に高かった。「体内に腫瘍ができているとこの数値が高くなるので、一度婦人科を受診してみてください」と言われ封筒を二つ渡された。
 腫瘍と言われると当然イメージするのはガンである。可能性は低いと前置きはされたが、可能性がある時点で不安である。よもやよもや……と思いながら激混みの婦人科を受診する。受付で子宮がんがどうたら話している人がいる。気が滅入る。全3枚にも渡る問診票をヒィヒィ言いながら書き(生理周期と経血量を日々ちゃんとメモしておいてよかった)、問診でも細かく聞かれる。

 

「経血の量が多いと感じて来たのはいつ頃から?」
「一年前くらいだと思います。いつも通りの対処で漏れるなと……そういえば思ってました」
「塊が混じる事は?」
「そういえばあります……」
「痛みの質が変わってきた感覚は?」
「……あまり感じませんね……」

 

 とは言ったものの、正確には分からなかったのである。何故なら元々二日目は生理痛が酷いと分かっているのでわたしは事前に薬を飲んでしまう生き方をしていたのである。幸いにも鎮痛剤を貫通するレベルの痛みではなかったらしく、特に日常生活に支障はなく生活できていた。

「そこまで自覚症状あったなら一度婦人科を受診した方が良かったね」と言われたが、日常生活に支障がなかったので完全にスルーしていた。今自分が婦人科にいることがもう青天の霹靂であるのに、ちょっと経血の量が多くなったかな、程度でその判断は無茶だ。生理痛をこの身で感じていれば状況は違ったかもしれない。ここはちょっと反省したが、腹の痛みに苛まれながら仕事をするのは辛すぎる。

 

 検査の結果右側の子宮が肥大化しているとのこと。この時点で子宮・卵巣がんの可能性は限りなく低いとのことだったが、念の為とMRI撮影。ツタンカーメンのような格好で土台に固定され、ヘッドホンから流れるアンジェラ・アキの「今負けそうで泣きそうで」という歌を貫通して大音量の電子音が鳴り響く。閉所恐怖症の気はなかったが、流石にこれは参った。「呼吸も小さくしてください」と言い含められていたが、後半は緊張で息が上がった。
 終わった頃にはへろへろで、さらに言えば緊急事態宣言発令中ということもあり、極限の空腹の中夜8時の時点で飲食店が開いておらず、休憩所も軒並み閉鎖されていたので一時間三〇分かかってとぼとぼと家に帰った。家でうどんを啜りながら「こういうこともあるんだなぁ……」と遠い目をしてしまった。

 後日、ここまでの検査結果を合わせて言い渡されたのが『子宮内膜症』であった。本来子宮内にだけ出来る膜が卵巣にも進出してしまった結果、生理で血液が全て排出しきれずそのまま卵巣内にたまり、『チョコレート嚢胞』なるブツが出来上がるという。年始にチョコレートの家で大事故建設をした後でこういう情報をお出ししてくるわたしの身体は情報開示が下手糞すぎる。クソ運営って言われてませんか???

 このまま放置しておいても癌に変異する可能性は少ないが、生理のたびに体内に血液がたまるので症状は酷くなる一方らしい。怖いよ。挙句の果てに「すぐに確実に治すなら手術になります」と言われてびびる。大事になってきてしまった。「子宮全摘出か腫れた部分の切除かのどちらかになりますが……」さらっと子宮全摘出とか言われて流石に事のやばさに焦る。子供は望んでいないので(これは方々にごめんなさいであるが…)無いなら無いでまあいいかとも思うがやはり選択肢として示されるとショックだ。寝起きが悪いなという感覚から随分遠いところに来てしまった。「とはいえ現在コロナの影響でなかなか日程を取りづらいので、今手術をするとなると根気強く付き合っていく覚悟が必要になってくると思います」更に大事になってきてしまった。「そこでまずはお薬の治療を試しましょう」という所に着地した。薬で治療が出来るなら願ってもないことである。とはいえ変化が見られなければ最終的には手術を選択肢に入れねばならないとのことであるが、わたしの場合はチョコレート嚢胞がそれはそれはしっかりあるので部分切除で大丈夫だろうというざっくりとした説明を貰った。

 

 つまりは、わたしの卵巣の中にいる嚢胞は生理と共に育ち、経年ででかくなるにつれて生理痛と経血量を増大させ、それに伴って血液が吸い取られ続け貧血症状を引き起こし慢性的な不調を起こし続けていたわけだ。やべえな。寄生生物かよ。

 

 貧血も、生理も、自覚すべき症状が出ていたのに総スルーしていたというよりも、まさか異変だとは気づけなかった結果がこれである。
 とはいえ実際自分の身に起きて「じゃあ内科行ってみよう」「婦人科で診て貰おう」ってなるか……? わたしはならなかった。身体が老いを実感しはじめそうな年齢できたのも悪い。普通に老化ってこんな感じで進んでいくのかなぁ…って思うじゃん。「は~~~人間経年劣化でこうなるのか……スペックひっっっっく!」って思うくらいじゃん……。

 

 なので、フォロワーの皆様におかれましてはささやかなことでも違和感を覚えたら下手な自己判断をしてしまうよりも病院に行く事を検討した方が良いし、何より健康診断はめちゃくちゃ大事ですということをお伝えしたい。たまに生理不順だとか最近おかしいとか呟いてる人いるので……違和感を覚えたらとりあえず受診しておくのがいいんじゃないかなと思います。こうなる前に。自己判断駄目絶対。それから引っかかる前に保険を検討しようね。入れなったり高くなったりする前にね!

 

 さすがのわたしも婦人科受診前後は不安になって方々に相談したんですが、保険の相談に乗ってくれて加入の面倒も見てくれた友人が「オプションついてるから手術になったらお金出るよ~その時は教えてね~」と速攻で回答をくれた挙句にがん保険の見積もりまで上げてくれてめちゃくちゃ心強かったです。ほんとうにありがとう。がん保険は今のうちに入ります。

 

 楽しい内容じゃないし、せめて面白可笑しく書いてみようとしたんですがただ冗長な文章になってしまったのは深く反省していますが、書いてしまったのでこのまま放流します。

 なんにせよ、例え手術をしたとしても再発の可能性があるらしく長期治療が必要になるとのことで気は重いですが、これで我が体の中の寄生生物が大人しくなれば日常がもう少し楽になるのかと思うと楽しみになってきました。